当初予算平成18年度予算倍増[防犯対策][子育て支援]

平成18年2月16日(木)~3月23日(木)までの36日間の会期で刈谷市議会3月定例会が開催されました。その中で審議された平成18年度当初予算では、災害対策・防犯対策・環境対策・子育て支援対策・交通渋滞対策を重点施策と位置づけ(特に防犯対策と子育て支援策は昨年度に比べ2倍の予算が付いています)、刈谷市の持つ活力と魅力が将来に向かって充実・発展することを目指した「活力を未来につなぐ改革予算」となっています。

今回のコロンブスレポートでは、これらの予算の中から10項目について、私の考えや今後の予定も含めながら判りやすく紹介して行きます。

1あおば保育園を移転・新築します

刈谷税務署跡地にあおば保育園を移転します。平成18年度はそのための用地購入と設計を行い、平成21年春に開園予定です。これまでと比べて敷地や床面積では約2倍の保育園となり、30名の定員増を予定しているとのことです。現在刈谷市全体で、0歳児や1歳児の入園希望者がなかなか入園できないのが現状です。その解消のためにも早期整備を期待したいと思います。

2児童手当の支給を拡充します

児童手当はこれまで小学校3年生までの児童について、第1子・2子は月額5,000円、第3子以降は月額10,000円支給されていましたが、4月よりその対象年齢が小学校6年生までに引き上げられます。また、所得制限も緩和されます。ところでこの所得制限、てっきり世帯全体の所得金額だと思っていたのですが、実はそうではなくて、父母の所得のうち高い方の所得のみを基準として支給されるのだそうです。したがって、[夫婦共働きで世帯全体の所得が多いにもかかわらず支給されている家庭]がある一方で、[夫のみの所得で共働き家庭より所得が低いにもかかわらず支給されない]ということが起きたりしています。この点は今後検討する必要があるのではないかと思います。

3不妊治療費の助成をします

医療機関において不妊治療などが必要と認められた夫婦を対象として、不妊検査・一般不妊治療・人工授精に要した費用のうち、自己負担額の2分の1を助成します。但し、上限は5万円まで、同一の夫婦に1年1回、通算で2回までです。

4市営住吉住宅の建て替えをします

現在刈谷市では新たな市営住宅の建設は行わず、老朽化した市営住宅を順次建て替え、高層化により戸数を増やすことにより、市営住宅の需要増に対応するという方針で行っています。平成17年に完成した中山住宅に続き、今回は住吉住宅を建て替えることになりました。第1期と2期に分かれておりそれぞれの概要を紹介しますと

第1期
期間 平成18年度~平成19年度 平成20年春入居開始
建物鉄筋コンクリート6階建(1棟)
戸数53戸(そのうち、シルバーハウジング6戸・高齢者向け6戸)
これまでは26戸でしたので、27戸増えることになります

第2期
期間平成19年度~平成20年度
平成21年春入居開始
建物鉄筋コンクリート6階建(1棟)
戸数54戸(そのうち、シルバーハウジング6戸・高齢者向け6戸・身障者向け1戸)
これまでは34戸でしたので、20戸増えることになります

※シルバーハウジング→隣にある[ひまわり]から、生活援助員による生活・健康相談や安否確認のための訪問などの福祉的なケアーを受けることができます。

5岩が池公園を更に整備して行きます

皆様ご存じのように、平成16年12月に第2東名高速道路のパーキングエリアに[刈谷ハイウェイオアシス]がオープンしました。実はあの施設は岩が池公園の第1期整備なのです。そして現在第2期整備が平成20年春のオープンに向けて進められています。第1期の区域が約3.6haでしたから、その倍ほどの広さ約7.4haを、温泉施設の北側に整備しています。施設内容をひとことで言うと『遊園地構想』です。ゴーカートやメリーゴーランドなどの遊具や岩が池の自然を満喫するボートなど、家族みんなで楽しめる遊びの空間や、水や自然と触れ合う憩いの空間を創って行きます。

6市内3ヶ所目の特別養護老人ホームが来春オープンします

現在刈谷市内には井ヶ谷町に2ヶ所の特養がありますが、既に満室で待機者が多くなかなか入れないのが現状です。そこで、小垣江町(小垣江東小学校前)に平成19年春の開所を目標に市内3ヶ所目の特養を建設中です。特養の定員は100名、その他に定員20名の短期入所(ショートスティ)施設、定員30名のケアハウス(軽費老人ホーム)、定員10名の生活支援ハウスを併設しています。

ところで、特別養護老人ホームはテレビ・新聞等でよく聞く名称ですし、短期入所も[家族が旅行なので介護できない時に数日間だけ施設に入所する]といった感じでイメージとして良く判るのですが、[ケアハウス]や[生活支援ハウス]ってなんだが判りづらいですよね(*^_^*)。そこでこの2つについて簡単に説明しますと

◎ケアハウス→今回の施設の場合「介護付き」ですから、特養よりももう少し軽度の方(要介護1~3程度)の入所施設といった感じかな

◎生活支援ハウス→原則60歳以上で、一人 暮らしなど、家族の援助を受けることが困 難で、高齢のため独立して生活すること に不安のある方。一時避難的な性格の施設です

7通学路の地下道に非常警報設備を設置します

市内にある地下道31ヶ所に設置します。押しボタンを押すと、外にある赤色回転燈が点灯し警報音で非常事態を知らせます。学校管理課の事業として行いますので通学路に設置しますが、それ以外の地下道にも設置予定です。

8災害情報をメールでお知らせします

事前に登録した方の携帯電話やパソコンに気象情報や地震情報、災害情報を配信します。登録は無料で携帯電話やパソコンから直接登録できます。6月頃までには導入する予定です。担当は防災室ですが、将来的には教育委員会とも連携する予定です。そうなれば、台風の時など「子供達を下校させるタイミング」などをタイムリーに父兄に知らせたり、通学路の不審者情報などを随時知らせることができるのではないかと期待しています。

9体育館(逢妻町)を武道施設として改修します

現在、総合運動公園内に建設中の新体育館は平成19年春にオープン予定です。その後、現在の体育館を武道施設として改修します。平成19年に工事に着手し、平成20年春にオープンする予定です。増改築の内容は、現体育館の北側駐車場へ柔道場・剣道場・弓道場の増築を行い、現体育館については、主競技場・柔剣道場・トレーニング場などの床や壁の改修を行い、増築する建物と既存の体育館とは一体的に利用できるようにします。

10国民健康保険の被保険者証が一人ずつのカードに変わります

今は一世帯で一枚の被保険者証ですが、これからは一人一枚に変わります。社会保険の場合はもう既に変わっていて、使ってみた感想としては、確かに便利になったと思います。サイズもちょうど免許証と同じくらいですので持ち運びにも便利です。8月に実施の予定です。


介護保険料の値上げそのわけは・・・

3月議会の議案の中に、介護保険料の値上げに関する議案がありました。嬉しいことではないので触れたくはないのですが、「むしろこういったものこそきちんと皆さんに説明をして、理解を得なければならない」と考え、このレポートの中で説明させていただきます。

☆第1号被保険者(65歳以上)の保険料

基準額(月額)

現行2,700円→改訂後3,700円

(3年ごとに見直すことになっていますから、
平成18年度から平成20年度まではこのままです。)


5年間で2.3倍にふくらむ要介護者数

平成12年
市内の65歳以上の人口約15,000人
その内、要介護認定者約1,300人
(約8.8%)

図1)被保険者の推移(1.2倍)

平成17年
市内の65歳以上の人口約18,500人
その内、要介護認定者約3,000人
(約16%)

図2)要介護認定者数の推移(2.3倍)

つまり介護保険がスタートした平成12年から5年の間に、65歳以上の人口は約2割増加しているのに対して、要介護認定者数は実に2.3倍にもなっているのです(図1、2参照)。
そしてその伸びに連動して、介護給付費も4年で2.2倍になっています(図3参照)。

(平成12年 約15億円→平成16年 約34億円)

図3)介護給付費の推移(決算ベース)
介護給付費の推移(決算ベース)

但し、そのことは必ずしも悪いことを意味しているわけではありません。「民間事業者の参入により、以前に比べサービス量が増えた」とも言えるわけですから。

そして、介護保険制度は必要な給付費の内、半分を保険料でまかなうというしくみになっています。ですから、これだけ増加した給付費を保険料の値上げという形で賄ってゆかなければならないのです。過去の実績により今後の見通しを試算した結果、3,950円という基準額になったのですが、介護保険基金を取り崩すことにより3,700円としました。また、保険料を7段階にして、被保険者の負担能力に応じたきめ細かな保険料設定にしました。

それにしても…要介護認定者の割合がこんな勢いで伸びて行っては、今後保険料はものすごい金額になってしまう(´・ω・`)。したがってこれからは、[要介護認定者の割合]の伸びを抑えるためにも、介護予防施策の充実が必要なのです。