今回は「ひな祭り」の吸い物には欠かすことのできない「ハマグリ」についてです。この原稿を書いているのが3月6日ですから、「ひな祭り」も既に終わってしまい、『今が旬』のタイトルに偽りあり・・・といったところですが、アサリを始め貝類の身が最も良くなるのは春、「ひな祭り」過ぎても味は十分に美味しい食材です。
栗に似ているところから「浜の栗」、すなわちハマグリと名付けられたらしい(真偽はよく判りませんが・・・) この貝の産地はなんといっても三重県の桑名というイメージが私ども愛知県人には強いところですが、その三重県産を始め日本全体で国産のハマグリは絶滅の危機に瀕しているようです。理由はやはり開発により干潟や浅瀬がなくなったり、海の汚染により貝が繁殖できなくなっているからです。

国産のハマグリ
私が毎日行く名古屋中央卸売市場や柳橋市場で、「国産のハマグリ」を見かけることはぐっと減ってきました。今回たまたま見つけたので、写真に撮っておきましたが、鼈甲のように光沢があり手に取ると「ずしっ」と重みがあります。これで1kg 2500円ほどです。

北朝鮮産のハマグリ
その代わりに、スーパーなどで見かけるハマグリは今はほとんどが北朝鮮産のものです。北朝鮮産のハマグリを一旦中国に持って行き、そこで3〜4ヶ月ほど畜養され、日本に輸入されてくるのです。こちらのものは殻に光沢がなく全体が少し白くなっています。国産の3分の1程度で買うことができます。
このハマグリの貝殻を別々に離すと、今までのペア以外の何万個の片方をくっつけても、蝶つがいの部分が絶対に合わないとのこと、そういったことから「夫婦の契りを結んだ以上、ハマグリのように2枚がいつも一緒で別れることがないように」との願いを込めて、結婚披露宴ではハマグリの吸い物が必ず出てくるようです。
強肝作用があるので、二日酔いで頭が痛い時には、ぜひお勧めします(*^_^*)