特別職報酬等審議会の答申書

  1. はじめに

    平成19年10月18日、本審議会は、特別職の給料及び市議会議員の報酬の額について、市長から諮問を受けた。

    本市の特別職の給料の額は平成16年4月1日に減額改定をした。また、議員の報酬の額は平成8年10月1日に改定されて以来、現在に至るまで据え置きとなっている。平成8年から平成16年までの間、国内の雇用情勢や社会・経済情勢は一段と厳しさを増し、設備投資や個人消費の冷え込みなどで、長期にわたり不透明な状況が続いていた。しかし、最近になり企業部門での設備投資の増加、個人部門での消費の増加など、景気は緩やかに回復しており、雇用情勢も着実に回復しているといえる。また、人事院の給与勧告では、官民給与の較差を解消するため、平成11年以来8年振りとなる公務員の月例給を引き上げる勧告であった。

    本審議会は、このような社会・経済情勢や諮問の趣旨を十分に認識した上で、本市の財政状況や市民感情などに配慮しつつ、県内各市の状況、本市と人口規模や産業構造が類似している県外各市の状況、人事院の給与勧告の推移、議員の活動状況、消費者物価指数の推移などの資料に基づき、積極的な意見交換を行い、厳正、公正、中立の立場から慎重に審議を行った。

  2. 特別職の給料について

    本市は、優れた事業実績をあげており、なおかつ、健全な財政を維持し、各種調査等においても高い評価を得ている。このことは、特別職の行政運営の指導力によるところも大である。また、市長、副市長は常勤職員であり、その給料については一般職の給与と同じく、生活給としての性質を有しており、一般職の職員の給与と比較して均衡を失しないようにすることが望ましいと考える。

    本年の人事院の給与勧告では、8年振りとなる一般職の月例給を0.35%引き上げる勧告であったが、若年層に限定した改定であったことや、景気の拡大を実感できない現在の社会経済状況及び市民感情などに配慮すれば、現状においては特別職の給料の額は据え置きが妥当であると判断した。なお、地域手当については現在一般職との間に差異が見られることから、今後一般職との均衡に配慮しつつ適正な率にすべきであるとの結論に達した。

  3. 議員の報酬について

    市民の代表である市議会議員は、条例の制定や改廃など、市政運営に対し重責を負うほか、市民要望の多様化、高度化に伴い、その活動の内容も専業化の傾向にある。そのような中、本市は各種調査等においても高い評価を得るなど優れた事業実績をあげていること、また、現行の議員の報酬の額は産業構造や人口規模の似ている類似団体との比較において、平均額より34,000円程下回っており39市中23位と低い水準にあること、県内各市との比較においては人口規模は34市中8位であるものの議員の報酬の額は13位であること、議員の報酬は平成8年以来、長期間据え置かれていること、これらのことなどを考慮して報酬を引き上げる必要があると考える。

    一方、景気は緩やかに回復しているものの、地方自治体全般における厳しい財政状況、人事院の給与勧告による一般職給料の引き上げが若年層に限定したものであること、景気の拡大を実感できない現在の社会経済状況及び市民感情などに配慮が必要であり、市民から理解の得られる金額とするため、今回は約2.2%の改定率に留めることとし、次のとおり改定することが適当であるとの結論に達した。

    議長 月額 570,000円(引上額13,000円)
    副議長 月額 530,000円(引上額14,000円)
    議員 月額 470,000円(引上額10,000円)
  4. おわりに

    特別職の給料及び議員の報酬の額の改定にあたっては、上記のとおり答申するが、特別職及び議員においては、県下における中核的な役割を担う者として、また、市民の代表者としてその職務の重要性、責任の重大性を十分認識し、「人にやさしい快適産業文化都市」実現のため、より一層尽力されることを切望する。

    また、本審議会の直接の所管事項ではないが、前3回の審議会と同様、議員定数を削減すべきとの意見があったので付記する。