福祉経済委員会 視察研修所感

氏名 神谷昌宏

平成17年10月12日(水)〜14日(金)の3日間、福祉経済委員会のメンバー8名と当局2名の合計10名で行政視察に行って参りました。

視察項目は

  1. 神奈川県相模原市 都市農業の振興
  2. 東京都昭島市 福祉サービス第三者評価事業
  3. 埼玉県入間市 福祉健康センター

についてであります。

以下、視察地ごとに報告します。

  1. 神奈川県相模原市 都市農業の振興について

    平成16年1月に『相模原市新都市農業推進計画』を策定し、市域全体を[農業公園都市]とする新たな考え方を導入し12の事業を展開していました。この計画を策定した背景としては、

    1. 農家人口や農地の減少、遊休化・荒廃化。その一方で、都市農業に対する市民の期待の高まり(たとえば、市民農園は4300区画あり、申し込みの抽選倍率は最高で2.71倍、平均でも1.36倍。また朝市などには多くのお客様)があったこと。
    2. 関係団体や機関が一丸となり種々の農業振興策や農地の遊休化・荒廃化対策を実施してきましたが、地域経済の悪化や人口の少子高齢化など、その置かれている社会経済環境が大きく変化してきたこと

    があげられます。そこで、小泉内閣の下、国において行われている『構造改革特別区域』の制度を利用して、農業への法人・個人の新規参入を促進するための条件整備を実施した上で各種の事業に取り組んでみえました。
    具体的な事業としては、

    1. アグリセンター事業(農産物の直売・PRなど)
    2. 市民ファーマー事業(市民農園)
    3. アグリフェアー事業
    4. フラワーガーデン事業(耕作地としての利用が困難な農地に草花を植える)
    5. マイ・夢果樹園事業(柿の木オーナー制度など)
    6. バイオマス・フロンティア事業(給食残さの飼料化とそれを利用したブランド豚の開発)
    7. ヤングファーマー・インキュベーター事業(若手プロ農業者の育成)
    8. 農業マイスター事業(農業技術専門指導員の登録活用)
    9. 商店街さがみはらのめぐみバザール開催事業(商店街と連携して市内農産物の拡販)
    10. アグリテクニカル&メディカル創造事業(農業技術開発・医療福祉分野への応用)
    11. さがみはら田園スクール事業
    12. アグリセラピー事業(農業の癒し効果活用)
    13. その他の事業(民間の新たな事業参入の動向に応じて)

    というものであります。この取り組みの目的は「農業を商工業等との連携により持続発展可能な産業として活性化させる」ことであります。今回紹介された事業の内、既に刈谷市でも実施している事業も幾つかありますが、この相模原市では新たに[新都市農業推進室]を立ち上げ、新しい農業政策を一元化した上で、農業振興を強力に推進するという意気込みを強く感じることができました。今回相模原市において特区の特例措置として認められていたものが本年9月からは全国展開され、農業への新規参入が促進されることになりました。この機会に刈谷市としても、これまでの農業政策より更に一歩踏み込んで、都市農業の振興を強力に押し進めるべきであると思います。

  2. 東京都昭島市 福祉サービス第三者評価事業について

    「福祉サービス第三者評価」とは、あまり聞き慣れない名称ですが、東京都が主体となって都内の自治体と連携して行っている制度で、福祉サービスを提供している事業者を第三者の目で、専門的かつ客観的に評価して、その結果をわかりやすくまとめた情報として提供し、利用者が事業者を選択する際の目安となるようにしている制度です。東京都としては平成7年度から実施し、昭島市においては平成15年に先ず公立の保育園1園にて受審、その後[第三者評価受審費補助制度(15万円を上限として補助)]を平成16年に作って、民間事業者に対して積極的な受審を呼びかけていました。

    平成17年度、東京都が認証した評価機関は126機関あり、昭島市の受審実績としては、平成14年度は3件、平成15年度は12件、平成16年度は18件という状況でした。

    この「福祉サービス第三者評価」によるメリット(効果)としては、

    1. 利用者にとって福祉サービスを選択する判断材料を増やす。
    2. 事業者にとっては、この調査により日頃気づかなかった点を改めて気づくことができ、改善のきっかけを得ることができる。
    3. 市が委託しているサービスについて、事業の実態把握・利用者の意見を聞くことができる。

    などがあげられますが、実際に受審している事業者がまだまだ少ないのが課題の一つです。「この評価を受けている事業者であること」が、事業者としての信頼を高めることになるような充実した制度になることが今後必要なことであると思います。また、現在は東京都が実施をしているわけですが、国としてこの「福祉サービス第三者評価」の制度化をすべきであると思います。そして実際にそのような動きもあるようですので、今回の視察項目は、そうなった際の先行的な勉強の機会であったと思います。

  3. 埼玉県入間市 福祉健康センターについて

    刈谷市の保健センターは老朽化と、手狭な状態で1日も早い移転・立て替えが必要となっています。そこで今回は平成15年3月にオープンしたばかりの[入間市 健康福祉センター]を見学してきました。この施設は、延床面積7955.77u、建設費約33億円、保健・医療・福祉的機能が一体となった非常に規模の大きな施設でありました。したがって、施設の中には既に刈谷市においては他の施設の中で同様の機能が整備されていると思うようなものもありましが、今回見学した施設のように、「保健・医療・福祉的機能が一体となっている」というコンセプトはとても魅力に感じました。特にその象徴的な事例としては[健康増進部門]のトレーニング室の存在です。1日約200人が利用しているトレーニング室は、私どもが見学した平日の昼間という時間帯にもかかわらず大勢の利用者で賑わっていました。入間市においても同種のトレーニング室が体育館の中にもあるとのことでしたが、そちらの場合どうしても「スポーツとしてのトレーニング」といったイメージで専門家やアスリートの利用が多く、一般の利用者が少ないそうです。やはり「健康管理としてのトレーニング」といった位置づけの方が利用する気になるのだと思います。現在刈谷市の保健センターは、移転先・施設規模等、明確に決まっていません、敷地の状況によっては「保健・医療・福祉的機能が一体」という施設建設をしても良いのではないかと思います。

    開館時間は午前8時30分から午後10時まで、年末年始(12月29日から翌年1月3日まで)以外は年中無休ということで、その利便性においても非常に素晴らしいと思います。

    刈谷市においても早急に建設場所を確定し、「予防は最大の医療」の観点から、保健・医療・福祉的機能が一体となった地域福祉の向上を支援推進する中心拠点の整備が望まれるところであります。