電子投票について

総務部行政課

平成14年2月1日に「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律」が施行され、地方公共団体が条例で定めた場合には、議会の議員及び長の選挙において電磁的記録式投票を導入できるようになりました。

刈谷市も導入に向け、複数の業者とヒアリングやデモを行い、また、電子投票を行なった四日市市などへ研修するなど調査検討を続けてまいりましたが、その状況は、次のとおりです。

  1. 電子投票の経緯
    平成14年2月最終報告、法律施行
    6月岡山県新見市(市長市議)で日本初の電子投票
    平成15年2月広島市安芸区(市長)
    4月宮城県白石市(市議)
    7月福井県鯖江市(市議)
    岐阜県可児市(市議) 選挙無効異議申立
    8月福島県大玉村(村議)
    11月神奈川県海老名市(市長市議)選挙無効異議申立
    平成16年1月青森県六戸町(町長)
    2月京都市東山区(市長)
    9月福井県鯖江市が電子投票の条例廃止
    埼玉県和光市で電子投票条例案が否決
    10月岡山県新見市(県知事)
    宮城県白石市(市長) 選挙無効異議申立
    11月三重県四日市市(市長市議補選)
    平成17年3月岐阜県可児市選挙無効の判決
    岡山県新見市が合併により電子投票条例消滅
    三重県が時限条例により電子投票条例消滅
    5月岡山県が電子投票条例廃止
  2. 検討結果

    電子投票は、これまで14年度2例、15年度7例、16年度が3例と合計3年間で10市区町村、12例しか行われておらず、特に有権者が10万人を超える市町村は四日市市のみであり、平成16年11月の四日市市の選挙以来、電子投票による選挙を行なった市町村はない状況です。また、県も含め12の自治体が電子投票条例を制定していましたが、鯖江市など4つの自治体が条例を廃止し、現在条例のある団体は8団体のみとなっています。

    また、電子投票の普及が進まないため、経費は高額のままで、かつ、交付税措置になるとはいえ、電子投票にかかる補助金の廃止により、5千万円以上の新たな持ち出しが予想されます。2時間程度開票時間の短縮が図れるものの、費用対効果を考えると市民の理解が得られるか問題があります。

    刈谷市としては、導入に向け積極的に調査研究して検討してまいりました。しかしながら、思ったほど全国的に普及せず、技術的にも大きな進歩は見られないまま、多くのトラブルが生じています。特に岐阜県可児市では裁判となり、選挙無効の判決が出されています。

    選挙では、何よりも正確さが求められ、有権者が安心して投票できることが最も大事なことです。現時点では、平成19年の市長市議選での導入は、費用面、技術面で大きなリスクが生じるため難しいと思われます。しかし、今後も国や地方公共団体の動向と機器の精度向上などの状況を見ながら将来の導入に向けて調査研究を続けてまいります。